Wandering,Words and not deeds,and the"Oblivion". 03

「万物の根元たるマナよ、その隠されし偉大な力を発現し、全てを貫く光の矢をもて我が敵を打ち砕けっつ!!」
 そう、今から待ちに待った魔法、ファンタジーとは切っても切れない魔法についての解説を始めるぜぇえいっっっ!!!
 ・・・ふう、(落ちついて、と)
 今回の本編ではフェラルドによる華麗な(!?)魔法も披露された事ですし、宿題でもある魔法についての説明を始めたいと思います。
 あっ、紹介が遅れました、私は有言無・・・(バキッ!)
 急げとの天の声が聞こえましたので、早速解説です。(くそっ)
 昔々、まだ大陸自体が若かった頃、超賢い上位種族(前回説明済み)の人々により、偉大な魔法が幾つも考え出されました。
 種族によってその対象や力の使い方は異なったものの、全ては世界のあらゆる物質の根元に存在するある力を利用したものでした。
 それは、魔法学的に言えば”マナ”と呼ばれるもので、その目に見えぬ力が全ての物質を形成し、物質たらしめ、大いなる秩序をもたらしていると言われています。
 そして、純粋なる力であるマナが集まり、ある存在意思をもった時、それは”パド”と呼ばれる魂の最小構成存在になります。
 例えるなら、原子が集まって分子を形成するかのごとくで、それ自体は純粋な力であるマナが、ある程度の方向性・存在意思をもった時、パドが発生するわけです。
 魔法とは、このパドに直接働きかけ、様々な力を引き出す術なのです。
 以下に古代上位種族の編み出した10の魔法を示します。

古代魔術ファーラー(始原魔術)[人間(デュエース)]
 人間達の古代種であるデュエース達はパドの根底の純粋なる力であるマナを直接引き出す事に成功し、何代にも渡ってこの法を研究する事で始原魔術を完成させていきました。
 彼らはまだ『名』をを持たぬ原始のパドに働きを与えたり、時としては自らマナを操作する事で仮のパドレム=パドを作り出して強力な力を得たりしてきました。
 メシエス(エルフ)やほかの種族はこの「精霊を人為により作り出す」という行為を忌み嫌い、始原魔法を邪法とまで呼びましたが、その力は絶大で、長い年月を経て多くの知識が失われた現在(小説中)にいたっても、古代魔術の名で広く使われています。

精霊魔術ディルメント[エルフ(メシエス)]
 本来精霊界ジーディアン物質界レディラントとの中間に存在する妖精界の住人アルシムスたるメシエスは、生まれつき精霊の言葉を解し、身近なる力として精霊の力を利用していました。
 そして、永い年月使われてきた召喚の言葉や精霊の真の名リアンは慣習のものとなり、それ自体が呪文として受け継がれていきました。
 そうやって完成した体系が精霊魔術ディルメント と呼ばれ、その精霊の力の利用の仕方で2つの系統に区別されます。
 まず、精霊を真の名リアンにより召喚し、その精霊力を引き出して力となすリデーム系が発達し、ついで仮の名で召喚し助力を請い、その精霊自体の働きを利用するエスメル系が普及しました。
 現在は呪文の多くはエスメルの形をとるものしか伝えられていないといいます。

地勢魔術クリーア[ドワーフ(ルキアーク)]
 メシエスと同様に妖精族の一員であったルキアーク(ドワーフ)は、そのほとんどが物質界レディラントへと住みつき、故郷を捨てし種族とも呼ばれていました。
 しかし彼らは大陸に降り立った後も大地の精霊ノームに教わった大地の理を遵守し、その力を利用して地勢魔術クリーアを体系づけました。
 この魔術は大地に眠る精霊を地形別に効果的に引き出す事で強力な力を成す、といった性格のものです。

神聖魔術カディラート(聖句魔術)[ほぼ全ての種(光)]
 主に人間達の間で使われるこの魔術はさしたる知識を必要とせず、神や精霊に祈る事でその助力を請うものです。
 系統としてはエスメル=ディルメント(前述)に近く、その対象がより光に近い神や聖霊による、というだけの遅いです。
 しかし、精霊と違い神や聖霊は強烈な意思を有し、その力を得るにはその意思に同調する事が必要で、これが神への信奉という形で現れています。

精神魔術ラシ・マール[翼人(ヴェルス)]
 有翼種ヴェルス達は非常に発達した精神文化を背景に、自らの魂よりカを引き出す術を体得していました。
 彼らは精神感応により自在に意志を伝え合い、言葉なくして力を発し、その力を利用していました。

呪術デリーゾン[ダーラー]
 精神の働きにおいて闇もしくは負の動きとされる呪い・怒り・恐怖などをその力の源とした呪術は、全ての生物に少なからず存在するそれらの感情を助長・覚醒させる事により力を発揮します。
 その強力さ、制御の難しさで知られる精神の精霊を操るこの魔術は、より強い強制力を必要としますが、精神を有する敵に対しては有効な手段となり得ます。

悪鬼召喚術ピエーム・セラ[ダーラー]
 ダーラーだけに伝わるこの闇の秘術は高等な悪鬼デーモン悪魔デビルを召喚する事でその力を利用するものです。
 真の名リアンにより召喚された悪魔達は地上においてはその召喚主に逆らう事は出来ません。
 彼らはこの術の奥義を用いて自らの魂を複製し、後の世にいう吸血鬼ヴァンパイア達を作りだす事に成功し、その吸血鬼達を奴隷や下僕として使役していたと言われます。

暗黒魔術ロク・パール[ダーラー等闇の種族、及び闇に組みした人間等]
 神聖魔術であるカディラートが光の神々、聖霊に助力を請うものであるのに対し、暗黒魔術たるロク・バールはその対象が闇の神々・邪霊・悪魔となります。
 自らの助力を求める邪神や飛雲の音に同調することはカアートと同様ですが、暗黒魔術では神聖魔術にはない同化の儀式という方法で更なる力を得る事が出来ます。
 この同化の儀式とはつまり「いけにえ」の儀式や「魂を売り渡す契約」の事を示し、邪神や霊に他人や自分の魂つまりパドの意思エネルギーを与えるかわりにその力を利用するという方法を意味します。

秘剣奥義ディルナク[バルディアール]
 リザードマン達の古代種・上位種であるバルディアール達は、剣技を極め戦いを重ねるうちに自らの魂の力により自分達の体の様々な力を操作する術を自然に体得できる事に気づきました。
 不断の努力と修養・鍛錬とが成せる技であるこの秘術は、一時的にすさまじい怪力を出したり、通常では考えられぬ程感覚を鋭敏にしたり、さらには驚異的な瞬発力を発揮したりするもので、戦いの場においてバルディアール達を無敵の剣士と呼ばしめる重要な要因の一つとなりました。

●呪歌(聖歌、魔声)[ほぼ全ての種族、とくにヒュス・ラー]
「名」を指し示し命令を発するのは「声」であり、この「声」や「歌」はそれ自体で少しながら力を有していると言います。
 この声や歌により精神の精霊や比較的力の弱い精霊・聖霊・邪霊の力を引き出すのが呪歌であり、聖歌・魔声でもあります。
 吟遊詩人達などが好んで使い、様々な種族が知るところですが、とくにヒュス・ラー達は、彼女らが生来もつ声の力とこの呪歌の効果が結びつき強力な呪歌を駆使します。

 以上で、魔法についての解説は終了です。今回も遅くまでのご精読ありがとう御座いました。次回の執筆予定は”世界設定”です。またのご拝読をお待ちしております。B,A,Y,A,R,D、ベイヤード執筆局でした。(BGM”蛍の光”)
 ・・・、と無責任に放送終了しないで、今回は特殊用語の解説もやってしまいましょう。今回の小説中のRISK用語を、以下に説明します。

<特殊用語>
 双頭の智竜の像(過去と未来、二つながらにして見守る青き像):グレニーはこの小説中の話が始まる前に、本文でも触れられた通りある人物と冒険の旅に出ています。
付録として、今回は特別に、その時の描写を掲載しましょう!!(<付録>を参照のこと)

魔法精霊:今回の解説でも説明したように、フェラルドの使う古代魔術ファーラー(始原魔術)には人工の精霊を作ってしまうという術も存在します。この術により作り出された、または名を与えられた精霊の様な存在を、魔法精霊と呼ぶわけです。
 といっても、フェラルドが魔法精霊を造りだした訳ではなく、古代の文献に載るその召喚の方法を勉強しただけなんですね。
 小説中の時代にはそのような高等な術は忘れ去られ伝承されておらず、それら魔法精霊を召喚する手順のようなものが、俗に呪文として受け継がれているにすぎません。

古老アル=エクサス:この古老アル=エクサスというのは一般名詞ではなく、固有名詞としてある特定の5人の魔術師達を指しています。
 “歴史”として後々解説を加えるとき詳しく説明しますが(うっ)、神話時代から生き続けていると言う伝説の魔術師達で、文中にもある通りジュラ山地の奥深くエンダインと呼ばれる塔に住んでいると言われています。
 その名は大陸上で知らぬ者はなく、光のグランディス、大地のオルディーク、火のフォルティア、水のウェイムロース、風のウィンと、四大及び光をその冠に戴き、それぞれの名の系統の魔法においては全てを極めたと噂されています。

 ふう(二回目)、またもや宿題を増やしてしまった。
 整理してみるとまず”歴史”、そして”世界設定”、・・・あれ?あと2つだけか?なぁーんだ、その程度か。
 まあ、設定大好き男の名を欲しいままにしている(?)小生のことだからネタはつきないけどね(しかし歴史の解説は一回じゃ終わらないような気がする・・・)。
 とにかく、次回は先ほども書いたように”世界設定”としてバルザート大陸の位置する世界(”中位世界”)について解説を加えるつもりです。
 あと、以下の付録も楽しんでください。それじゃとりあえず、まったねー!ばーいばい!!(モグタンじゃねぇ)

<付録> 序章 『青き竜』(抜粋)
 青色の、半透明な宝石が一つ、転がっていた。グレニーは吸い込まれるようにその石に見入り、いつの間にかそのこぶし大の宝石を掴んでいた。そしてその石をよく見ようと顔へ近づけると、突然、石は鈍い光を発し、そのままグレニーを幻想の世界へと引きずり込んでいった・・・。

 ・・・一人の若い戦士がいた。魔法使いがいた。聖職衣を身にまとった若い女性がいた。男のエルフが話しかけてくる。ドワーフが何か文句をつけている。そして、その五人がグレニーを取りまいている。彼らはそのほとんどが見知らぬ顔だった。魔法使いだけは、昔の仕事で一緒だった事があるが・・・。
 しかし、なぜか、グレニーはなつかしい面もちで仲間を見回した。
 ・・・そう、仲間だった。掛け替えのない仲間・・・。
 彼らと六人で歩む道。グレニーは夢の中をその仲間達と六人でゆっくりと何処かをめざし旅をしていた。その風景は目まぐるしく変わっていった。
 森を通る事もあれば砂漠の上にもいた。荒野をさまよっているかと思えば、戦場を駆けていた。そして、洞窟や古い城、幾つもの塔・・・。
 砂漠の中の塔もあれば山々の間に隠れるようにそびえる荘厳な塔、恐ろしく高くまた古い塔もある。灰色の大地に立つ巨大な塔は、天にも届かんばかりだった。
 ・・・黒い鎧を身にまとった剣士がそのぎらついた赤い目をこっちに向けている。大きな鎌を構えた四本腕の悪魔が魂までも揺さぶられる恐ろしい声で叫んでいる。緑竜がその大きな口から毒の息を吐こうとしている。美しく、それでいて邪悪なローブ姿の女が何か呪文を唱えている。
 ・・・その後、様々な人々が浮かんでは消え、浮かんでは消えした。その鎧に金と銀、白金をあしらった三人の騎士達。ローブを着込み、悲壮な表情をその顔に張り付けている老人。最後に、白い仮面を付けたローブ姿の男と漆黒の鎧を身にまとった大柄な男、そして光輝く剣を手にしたギャリオットが現れ、その三人が消えると、まぶしいばかりの光が現れた。
 しかし、ここで、グレニーは何かを懸命に叫んでいた。周りには多くの人々がいたが、皆は疲れきっているか、傷ついているか、もしくは何かに喜んでグレニーの話を誰も聞いてくれなかった。グレニーは叫んでいた。光に包み込まれながら、懸命に訴えていた。全てが光に埋もれ、そして、闇が訪れた・・・。

 目が覚めると、ギャリオットが懸命に体を揺すっているところだった。
「グレニー、どうした、大丈夫か!」
 グレニーは夢から覚めやらぬ状態ではあったが、ゆっくりと起さ上がり、ギャリオットを押し退けた。
(以上、自著『青き竜』より抜粋)

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