流れる日々

流れる日々 02

陽が落ちていく。
オレンジ色の衣をまとい、空に優しい暗さだけを残し、陽が落ちていく。
昨日まで全てを貫くように輝いていた太陽が、緩やかに日を注ぎ出した、今日。

やわらかな夕日と、涼しげな風、それ以外の全てを感覚から追い出してしまうと、そこには、自然な空間が広がっていた。
ビルの影も無い、
車の雑音も無い、
雑多な世事のゆううつも無い、
昔からここにある風景。

自分がいなくとも、
人がいなくとも、
人間がいなくてさえ、
ここにある風景。

知らぬ間に、陽は地の端の影にその姿を隠している。
西の空の蒼い明るさだけが、その名残をとどめている。

夕闇に、寂しく雲が浮かぶ。東の空に、眠っていた星が瞬き始める。

ここにある風景。
ここにいない自分。

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