流れる日々 04
それはたしかに大切な君を傷つけてきた
それはたしかに嫌な事から逃げ続けてきた
記憶を消し去る事も逃げの一つと君は言う
嫌な気分を自分で無視する事も逃げの一つと君は言う
だが僕に何が出来ただろう?
君を傷つけた事でより深く僕は傷ついた
より嫌な事を君に強いるのを避けるために僕は逃げ続けた
嫌な事を一つ一つ覚えていてはその一つ一つを悔しがっていては
前に進む勇気を奮い起こせない
自分が感じた感情を人から受けた感情を
いつも素直に受け止めていては
心からの笑みを浮かべる事も出来ない
初冬の夜空は鋭く心を差し貫く
はく白い息が今の心をはき出したかのように
切なげに消えていく
見上げれば 星が瞬いている
月の光が全てを照らす
今 ここにいる 僕を
今 遠くにいる 君を
僕に 何が出来た?
知らぬ間に強くなっていた
昔は 弱く 臆病だった
孤独を恐れ 力におびえ
自分の弱さを知っていた
人の弱さを知っていた
優しくできた 自分がして欲しいように
悲しくなれた 自分が悲しむように
時が過ぎた
弱さに馴れていた
弱い心を無視する事で 弱さを無視できた
孤独に悲しむ自分を無視する事で 孤独を意識しなかった
傷つく自分の心を 恐れる心の震えを 悔やむ心の涙を
自分で無視する事で 耐える辛さを軽くしてきた
気がつけば 心が冷えていた
初冬の夜空のように
心が冷えていた
これから先 悲しくて 泣く事があるのだろうか
今 この時 泣けない 僕が
今 この時 悲しまない 僕が
初冬の夜空は 心を鋭く差し貫く
月の光が全てを照らす
一つ 流れ星が ゆっくりと落ちていく